オーストリア ウィーン・キャスト盤
1988年、ウィーンキャストによる「ドイツ語オリジナル」盤。
オーケストラがきらきらと賑やかで、結構癖がある。アンサンブルの一人一人に至るまで、とにかく皆安定感があって歌に聴き応えがある。演奏とドイツ語の語感が相まって、全体的に重厚で華やかだが、フランス版のような細やかなざらりとした雰囲気はなく、各キャストの技量への満足度のわりには、あまり聴いていないCD。
ドイツ語でザ行のSをサ行で発音しているのは、オーストリア風発音なのかな?
キャスト
JEAN VALJEAN : | Reinhard Brussmann (JEAN VALJEAN) | Reinhard Brussmann | ★★★★★ | |
JAVERT : | Norbert Lamla (JAVERT) | Norbert Lamla | ★★★★★ | |
FANTINE : | Sona MacDonald (FANTINE) | Sona MacDonald | ★★★★★ | |
MARIUS : | Felix Martin (MARIUS) | Felix Martin | ★★★★★ | |
COSETTE : | Martina Dorak (COSETTE) | Martina Dorak | ★★★★★ | |
ÉPONINE : | Jane Comerford (ÉPONINE) | Jane Comerford | ★★★★★ | |
THÉNARDIER : | Franz Csencsits (THÉNARDIER) | Franz Csencsits | ★★★★★ |
M.THÉNARDIER : | Susanne Altschuls (M.THÉNARDIER) | Susanne Altschuls | ★★★★★ | |
ENJOLRAS : | Alexander Diepold (ENJOLRAS) | Alexander Diepold | ★★★★★ | |
GAVROCHE : | Aris Sas (GAVROCHE) | Aris Sas | ★★★★★ | |
L.COSETTE : | Leni Tanzer (L.COSETTE) | Leni Tanzer | ★★★★★ | |
アンサンブル | ★★★★★ | |||
演奏(指揮: Caspar Richter) | ★★★★★ |
★ は個人的なお気に入り度
キャスト雑感
ジャン・バルジャン: Reinhard Brussmann
やけに気品があって若い二枚目ボイス。冒頭は汚れ声を出しているのか、ちょっと印象弱め。生まれ変わってからは、貴公子系の壮麗さを醸し出す。"Bring ihn Heim" ("Bring Him Home") は鳥肌の立つ美しさ。でもエピローグはどうも死にゆく老人とは思えず、ちょっと好みが分かれそう。
ジャベール: Norbert Lamla
ドスが効いていて強そうだが、決して下品ではなく、全体的にドイツ語の響きがよく似合う(って、ジャベールはフランス人のはずだが……)。職務熱心が行き過ぎて、やや力みすぎの熱いジャベール、そのわりにアリア部分はなぜかやや淡泊になり、少々物足りない。
ファンティーヌ: Sona MacDonald
儚い系。品があって、非常に美しいが何分おとなしいので、もう少し暴走している感じもほしいかな。
マリウス: Felix Martin
あまり甘くない声でとても甘い歌い方をしているので、バランスよい感じ。ヘタレ坊ちゃんタイプ。若干、他の人に比べて音が不安定な気もするけど。この方の録音は後のデュイスブルク盤がスキ。
コゼット: Martina Dorak
大人っぽい。
エポニーヌ: Jane Comerford
綺麗なボーイッシュ声。わざとらしい甘さが無くて好き。若干、アニメチックな気もするけど。しかし、凄むところは凄んでいて、基本的に声は少年ぽいけれど "Nur für mich" ("On My Own") などでは、その表情で女らしさも出ててすごく可愛い。
テナルディエ: Franz Csencsits
インパクトがあって好き。毒気も結構ある。
テナルディエの妻: Susanne Altschuls
とてもふつう。
アンジョルラス: Alexander Diepold
理想に燃えつつも極端に暴走しない、冷静な指導者という雰囲気のアンジョルラス。声も綺麗だが、どこかカリスマに欠けるのは何故だろう……。バルジャンの方がアンジョっぽい声というのもあるかも。
ガブローシュ: Aris Sas
"Schaut Her" ("Look Down") の登場がとても格好良く、仕切っている! って感じがある。
リトル・コゼット: Leni Tanzer
とてもふつう。
購入・試聴
私は下記のAlphamusicで購入したが、最近は日本のショップでも扱っている。
曲目
DISC 1:
- Prolog
- Am Ende Vom Tag
- Ich Hab Geträumt Vor Langer Zeit
- Leichte Mädels
- Die Prüfung (Wer Bin Ich)
- Fantines Tod
- Der Doppelte Schwur
- In Meinem Schloß
- Wen Ha'm Wir Hier
- Ich Bin Herr Im Haus
- Der Handel
- Schaut Her
- Stern
- Rot und Schwarz (Das ABC-Café)
- Das Lied Des Volkes
DISC 2:
- Schon So Lang (Rue Plumet)
- Mein Herz Ruft Nach Dir
- Der Überfall
- Der Aufbruch
- Morgen Schon
- Nur Für Mich
- Siegen Oder Untergeh'n
- Javert Auf Der Barrikade
- Wir Kleinen
- Jean Valjean Auf Der Barrikade
- Der Erste Angriff
- Der Regen (Eponines Tod)
- Trinkt Mit Mir
- Bring Ihn Heim
- In Der Kanalisation
- Javerts Selbstmord
- Weiter
- Dunkles Schweigen An Den Tischen
- Jeden Tag
- Die Hochzeit
- Bettler Ans Buffet
- Epilog