ジェローム・プラドン Jérôme Pradon

フランス・イギリスを中心に活躍する舞台俳優ジェローム・プラドンの出演CD&映画の感想ページ。

Jérôme Pradon

ミュージカル俳優、フランス出身。ロンドンでも活躍。ミュージカルの舞台が主なようだが、ストレートプレイや映画にも出演。 日本では2000年に制作された映像版「ジーザス・クライスト・スーパースター」のユダ役で有名。

1964年6月3日生まれ、フランス・ブローニュ出身
本名: Jérôme Jacques Olivier Marie Pradon(ジェローム・ジャック・オリヴィエ・マリー・プラドン)

主な出演作(2005年現在) 『レ・ミゼラブル』(マリウス、ジャベール) 『ミス・サイゴン』(クリス) 『ナポレオン』(ナポレオン) 『マルタン・ゲール』(ギヨーム) 『ナイン』(グイード・コンティーニ) 『キリング・ラスプーチン』(ラスプーチン) 『ブラック・ゴーズ・ウィズ・エヴリシング』 『ジーザス・クライスト・スーパースター』(ユダ、ヘロデ王) 『ウィッスル・ダウン・ザ・ウィンド』(ザ・マン) 『クライム・オブ・パッション』 『ロード・ムービー』 『デリ・ディヴレス』 『太平洋序曲』 (将軍の母/フランス将校) 『エ・シ・オン・シャンテ?』(ジュリアン) 『シャンス!』(ボス) ※注:邦題が不明または無いものは、適当にカタカナ化しています。

LES MISÉRABLES Paris Mogador

LES MISÉRABLES
-Paris Mogador - 1991

Marius(マリウス)*主要役

「レ・ミゼラブル」パリ・リバイバルキャスト盤。

購入店: [Amazon.fr] 参考: [Amazon] [Fnac] [alapage] [Amazon.co.uk] [HMV]

記念すべき出会いの作品。しかしながら最初に聴いた時点では、ジェロームのマリウスはあまり好みではなかった。しかしマリウスというキャラクターに対するイメージが変化するにつれ、次第にお気に入りに。他の作品でジェロームにすっかりハマった後は、私の中でのスタンダード・マリウスに昇格した。

感想はレミゼCDページ参照

NAPOLEON World Premiere Cast Recording

NAPOLEON
-World Premiere Cast Recording - 1994

Napoleon (ナポレオン)*主役

「ナポレオン」オリジナル(トロント)キャスト版。これも残念ながら廃盤らしい。感想工事中。

購入店: [中古CD]

曲目

  1. Ouverture
  2. The Victim's Ball
  3. A Cut-Throat Game
  4. The Rest Of My Life
  5. Road To Austria
  6. The Dream Within
  7. The Lover's Song
  8. On That First Night
  9. The Tale Of The Sculptors
  10. The Calm Before The Storm
  11. Timor Mortis
  12. Sweet Victory Divine
  13. Walls Of Stone
  14. The Last Crusade
  15. The Friend You Were To Me
  16. Waiting And Hoping
  17. Napoleon's Return
  18. Finale

LES MISÉRABLES 10th Anniversary Concert

LES MISÉRABLES
-10th Anniversary Concert - 1995

Courfeyrac(クールフェラック)*脇役

「レ・ミゼラブル」10周年記念コンサート盤。レミゼCDページも参照

購入店: [Tower Recoards] 参考: [Amazon.co.jp]

感想はDVD版に書いたので省略。

本来の舞台では一人のアンサンブルが何役も演じるが、コンサート仕様のため基本的に一人一役。このコンサートでのクールフェラックの出番は以下のとおり。これでも、多い方?

Disc 1:

17. ABC CAFÉ / RED AND BLACK

冒頭三番目のソロと、最後の方。

"Students, workers, everyone
There's a river on the run
Like the flowing of the tide Paris coming to our side!"

"In St. Antoine they're with us to a man!"

47. DO YOU HEAR THE PEOPLE SING?

"Then join in the fight
That will give you the right to be free!"

Disc 2:

4. BACK AT THE BARRICADE

"And if I should die in the fight to be free
Where the fighting is the hardest
There will I be"

5. JAVERT'S ARRIVAL / LITTLE PEOPLE

"Take the bastard now and shoot him!"

7. NIGHT OF ANGUISH

"He's going to get it too!"
※DVDに付属の歌詞ではグランテールの台詞となっており、映像にも映っていないため、確証はなし。

11. SECOND ATTACK / THE FINAL BATTLE

"Make'em pay for every man!"

MARTIN GUERRE London Cast Recording

MARTIN GUERRE
-London Cast Recording - 1996

Guillaume(ギヨーム)*主要役

「マルタン・ゲール」オリジナルキャスト版。全体の感想&あらすじはレミゼ関連CDページ

購入店: [中古CD] 参考: [Amazon.co.jp] [Amazon.co.uk]

ジェロームの歌にハマってしまった一枚であり、かつ私の中で彼がカリスマ・ヒールに認定された一枚。とは言ってもギヨーム、根は悪い人ではないのだけど、性格が暴走気質で、かつ人生巧く行かなくて屈折している感じなのだろうか。しかし、このCDト書きもなく、特にラスト近くの展開がよくわからない。「Guillaume is dead, I'm Martin Guerre!」いう意味深な台詞(ギヨームがこう言っている)はどういうシチュエーションなの? 気になる。

ソロナンバー"I Will Make You Proud" はとても好きな曲。公式サイトでこのシーンが少し映像で見られる。

曲目

  1. Prologue
  2. Working On The Land
  3. Where's The Child
  4. Martin Guerre
  5. Here Comes The Morning
  6. Sleeping On Our Own
  7. When Will Someone Hear?
  8. Louison / Welcome Home
  9. Tell Me To Go
  10. Bethlehem
  11. All I Know
  12. Entr'acte
  13. The Courtroom
  14. Me
  15. Martin Guerre (Reprise)
  16. Someone
  17. The Imposters
  18. The Last Witness
  19. I Will Make You Proud
  20. The Madness
  21. The Reckoning
  22. The Land Of The Fathers

KILLING RASPUTIN Original London Cast

KILLING RASPUTIN
-Original London Cast - 1999

Rasputin(ラスプーチン)*主要役

「キリング・ラスプーチン」オリジナルキャスト盤。レミゼ関連CDページ参照

購入店: [Dress Circle]

曲目

  1. Gospodi
  2. World Hold Your Breath
  3. Here It Is/You'll Never Know
  4. Kyrie
  5. Yusupov Soliloquy
  6. To Love Is To Hate
  7. Act 1 Finale
  8. If Only It Would Stop
  9. So Nearly Perfect
  10. Nothing Is The Same
  11. He Heals The Pain
  12. Tennis And Picnics
  13. Liebling
  14. Come To The Street
  15. Invitation/Day Of My Life

JESUS CHRIST SUPERSTAR A New Stage Production Soundtrack

JESUS CHRIST SUPERSTAR
A New Stage Production Soundtrack - 2000

Judas(ジューダス:イスカリオテのユダ)*準主役

下記の映像作品のサントラCD。ハイライト盤のみ。

購入店: [Dress Circle] 参考: [Amazon.co.jp]

当初、古い映画の「ジーザス・クライスト・スーパースター」があまりに好きだったというので、このニューステージ映像版はあまり見る気がしなかったのだが、ジェロームの歌う "Heaven On Their Minds" に感動して、結果的には見事ハマる。個人的には、ジーザスは音楽の方が、マリーはヴィジュアルの方がスキだろうか。ジューダスはどちらも好きだが、音のみで聴くと新しい発見も。

国によってジャケ写真が違うようである。CD店で見かけるジーザスが両手を広げているものはUS版らしく、手持ちの(写真参照)はドイツ盤。このバージョンは唯一ジェロームが映っているので良かったんだけど、実は通販でUK盤のつもりで購入したらこれが届いたという、どれになるか運次第なの?笑

曲目

  1. Opening
  2. Heaven On Their Minds
  3. What's The Buzz?/Strange Things, Mystifying
  4. Everything's Alright
  5. Hosanna
  6. Simon Zealotes/Poor Jerusalem
  7. Pilate's Dream
  8. The Temple
  9. I Don't Know How To Love Him
  10. The Last Supper
  11. Gethsemane (I Only Want To Say)
  12. King Herold's Song
  13. Could We Start Again, Please?
  14. Judas' Death
  15. Trial Before Pilate
  16. Superstar
  17. Crucifixion
  18. John Nineteen: Forty-One

CRIME OF PASSION

CRIME OF PASSION - 2001

一人音楽劇。シンプルなピアノ演奏をバックに、最初から最後までジェロームが歌っている、ファン必携アイテムである。元はフランスの作品のようだが、これは英語版。音楽もたいへん美しく、とてもお気に入りで、Jean Guidoniの演じるフランスバージョンも購入してしまったほど。狂気にかられて恋人である男性を殺してしまう孤独な男……の話らしいんだけど、やや抽象的で難解。ジェローム・プラドン・ファンサイト "Love at First Sight"に解説があります。

購入店: [Dress Circle]

曲目

  1. The City Wall
  2. Mask
  3. So Then I Sat Down (No.1)
  4. Love At First Sight
  5. Alone
  6. Weidmann
  7. Knives
  8. Who Screamed?
  9. Faded Flowers
  10. Summons.
  11. So Then I Sat Down (No.2)
  12. White Sheets

CHANCE!

CHANCE! - 2005

Le Patron (Henri) *主要役

法律事務所を舞台にしたミュージカル・コメディ。公演は複数キャスティングだが、CDではめでたくジェロームが出演。台詞はすべて音楽になっている形式で、シンプルな伴奏にのせて繰り広げられる多様な音楽が楽しい。ジェロームは一見、低音も凛々しい強面の事務所のボス、と見せかけて……。これまでにない衝撃の一面を見る(聴く)ことができる。「CHANCE!」公式サイトにある動画(メニューのA Voir内)も必見。こちらもジェローム・プラドン・ファンサイト "Love at First Sight"にあらすじ等があります。

購入店: [劇場] 参考: [Fnac]

曲目

  1. Acte I
  2. Ouverture - La Disquette
  3. La Retardataire
  4. Arrivée de Nina Fleurie
  5. Conversation Téléphonique
  6. Nina Fleurie 2
  7. Arrivée du Coursier
  8. La Pause Café
  9. Arrivée du Patron
  10. Première déclaration d'Agnès
  11. Retour du Coursier
  12. Le Lundi Matin
  13. Réunion des joueurs
  14. Les numéros du Loto
  15. Reprise du boulot
  16. Playdoyer
  17. Je ne veux pas plaider !
  18. Quand on aime un homme
  19. Intervention de Nina
  20. Le Classement
  21. Quatorze ans de scolarite
  22. Aïe!
  23. Deuxième déclaration d'Agnès
  24. Conversation Téléphonique 2
  25. Nina bougonne
  26. La journée de bureau
  27. La fin du Boulot !
  28. Lamento du Patron
  29. La femme de ménage
  30. Etienne répète
  31. Reveil d'Etienne
  32. La retardataire 2 - la vérité...
  33. Retour du Coursier
  34. 99 Millions d'Euros
  35. Les projets d'Agnès
  36. Libre!
  37. Les projets d'Etienne
  38. Les projets du Patron
  39. Les projets de Kate
  40. Vivante!
  41. Une Vie de Fête
  1. Un baume ou un couteau
  2. Tour du du monde
  3. Le retour d'Etienne
  4. Le retour de Kate
  5. Le retour du Patron
  6. Le retour de Nina
  7. Enrichissons nos cœurs
  8. http://www.avocats.fr
  9. Le défilé d'avocats
  10. Première affaire en cours
  11. Deuxième affaire en cours
  12. Troisième affaire en cours
  13. Final
  14. M E D L E Y...

LES MISÉRABLES 10TH ANNIVERSARY CONCERT レ・ミゼラブル10周年記念コンサート

LES MISÉRABLES 10TH ANNIVERSARY CONCERT
レ・ミゼラブル10周年記念コンサート - 映像 1995

Courfeyrac(クールフェラック)*脇役

購入店: [帝国劇場売店] 参考: [Amazon.co.jp]

感想工事中……

全体の感想はレミゼページ内レ・ミゼラブル10周年記念コンサート参照。

THE BRYLCREEM BOYS 友情の翼

映画 THE BRYLCREEM BOYS
「友情の翼」

Ricard(リカード)*超脇役

監督: Terence Ryan(テレンス・ライアン) 1996年 イギリス

第二次大戦下、中立国アイルランドでは領土に不時着した兵士達を平等に捕虜として終戦まで収容所に入れていた。墜撃されて収容所にやってきたカナダ出身の主人公マイルス・キオウ少佐(ビル・キャンベル)と墜撃した側のドイツ兵シュテーゲンベック伯爵(アンガス・マクファーデン)にはアイルランド娘マティ(ジーン・バトラー)との三角関係を含んだ対立を経て、次第に友情にも似た奇妙な感情が芽生えていく。

購入店: [レンタル] 参考: [Amazon.co.jp] [Amazon.com]

ストーリーが面白そうだったので、これも何かの縁だと思って見てみた。日本ではDVDにはなっていないらしい。非常に雰囲気勝ちの印象。随所に入る広大な自然映像に、アイリッシュ! って感じの良さが出ている。戦争モノというより、青春モノ。

収容所といってもきわめて規則は寛容で、日中の外出許可も下りる。連合国の捕虜たちは現実を忘れるかのように野球をしたり草競馬に興じたり、一方で鉄条網を隔ててドイツ人捕虜たちと啀み合う日々。ステロタイプな感じではあるけれど、各捕虜たちのお国柄を皮肉に描くところなど面白い。一方、どうもストーリー展開がお約束で盛り上がりに欠け、そのわりには芸術的な趣きがあるというほどでもなく、やや半端な印象。題材は良いと思うのだけど。なんだか、雰囲気が似ている人が多いため、ぼんやり見ているとこの人誰だっけ? と混乱する。しかし最後はしっとりと纏まっている。全体的に、音楽が良い。ヒロインのマティを演じている人はダンサーであるらしく、作中でもアイルランドのダンスを披露する。(がそのシーン、興味がない者にとってはちょっと冗長過ぎる)ところで、ドイツ人捕虜も通常は英語で話す。これは、映画の都合上仕方なく? ドイツ訛りっぽい人も居たけど。英国人たちは、とにかくbloody bloody言っている。笑

え、ジェロームの役は……連合国捕虜のひとりで、セリフがあったのが、三回くらい?笑 というチョイ役で、一応名前はあるらしい。

それにしても、邦題のセンスがあまりに酷い。原題は「The Brylcreem Boys」。映画サイトで読んだところによると、Brylcreemというのは英国の整髪料で、この映画に出てくるような青年たちは皆このクリームで髪を整えていたとのこと。まあそのままでは日本人には意味がわからないけれど、もう少し良い題名に出来なかったんだろうか。

しかし、このページの一般(?)映画の中では一番好みのストーリーなので、もう少し出番があると良かったのだけど。ところで後で知ったところによると、ハル・ファウラーも出演していたらしい。気付かなかった。

SIMON SEZ サイモン・セズ

映画 SIMON SEZ
「サイモン・セズ」

Ashton(兵器商アシュトン)*主要役?

監督: Kevin Edlers(ケビン・エルダーズ) 1999年 アメリカ

ストーリーは割愛、B級というかC級というかのアクション映画。バスケ選手を主役に起用した映画らしいけど、スポーツに興味のない私には「誰?」である。しかしながら、このページの一般映画(=JCS、Paradiscoは除く)で最も出番が多いのが、これ。笑

購入店: [レンタル] 参考: [Amazon.co.jp]

とにかく、ばかばかしい映画である。つまらないというよりは、くだらない映画。見るからに強そうなヒーロー、インターポールの捜査官サイモン(デニス・ロッドマン)とさらに強そうなヒロインの武闘家がドジな味方を従えて、ひたすらボコボコと悪の組織を倒していく。退屈ではないけれど、だから何! っていう映画。コメディを目指している感もあるが、どうにも中途半端で、かといって比較的シリアスな(つもりの)決めぜりふもどうもセンスが悪い。主人公はスポーツ選手だけありアクションはキマっているが、演技は何とも言い難い。

ジェロームの役は兵器商人アシュトン。敵のボスである。ベリーショートにスーツに仕込み杖、字幕がオネエ口調(原語だとよくわからないので声色以外もそうなのかは不明)。まあ、可愛いといえば可愛いのだが、おそらくコメディ系を狙ったのであろうキャラクタ。主人公と対しているシーンは彼もまた普通にこの映画のばかばかしさから逸脱しないお約束な敵ボスを演じている印象なのだけど、他の人物との若干シリアスなシーンでは、エキセントリックで細かな演技で本領を発揮している。しかしむしろ、そうした真面目なシーンはそこのみ質が高すぎる感じで、映画全体から浮いている気も……。

しかしヒーローがすごいコワモテの優に2mありそうな大男で、敵が可愛らしいオカマさんにその部下も女性多数っていうのが、何だか妙である。勝てそうもない強そうな敵に勝ってこそのヒーローじゃないのだろうか。普通はありそうな、ヒーロー絶体絶命ピンチ! という展開も大してない。そりゃこういうのは最終的にはヒーローが勝つに決まっているけれど、その過程で観客をハラハラさせないでいいものだろうか。お約束の敵ボスとの対決シーンなんて、可哀想! いじめないで! と言う感じである(主観)。アシュトンは台詞で孤児院育ちであることを垣間見せるが、結局彼の過去なども特に描かれず、悪事をはたらいている動機もいまいちよくわからない。そういえば、実はフランスが舞台らしいのに、皆フツーに英語。折角なので一言くらいフランス語喋って欲しかった。それから、鼻歌歌ってるシーンもあるのだけど、どうせなのでもうちょっとちゃんと歌って!笑 いや、敵のボスがプロフェッショナルに歌っててもそれはそれで変だけど。銃も撃ってくれます。映画の内容はともかくとして、ジェロームファンならば見て損はない……かどうかは自信がないけれど、まあ、レンタルなら良いと思います。

→トレイラー。あまり映ってないけど "Do you have the disc?" と言ってるのがアシュトン。

VATEL 宮廷料理人ヴァテール

映画 VATEL
「宮廷料理人ヴァテール」

Marquis d'Effiat(エフィア侯爵)*脇役

監督: Roland Joffé(ローランド・ジョフィ) 2000年 イギリス/フランス

太陽王ルイ14世(ジュリアン・サンズ)が栄華を極めていた、十七世紀フランス。老将コンデ大公(ジュリアン・グラヴァー)はかつての内乱で失った国王の信頼を取り戻そうと、三日三晩にわたる饗宴を開く。この宴を取り仕切る重責を負ったのがフランソワ・ヴァテール(ジェラール・ドパルデュー)。実話に基づき、恋愛や陰謀などを絡めた(つもりらしき)お話。2000年カンヌ国際映画祭オープニング作品。

購入店: [レンタル] 参考: [Amazon.co.jp]

英仏共同作品のようだが、台詞が英語。英語で喋るフランス貴族たち……どうも雰囲気が出ない。さて、タイトルロールのドパルデューが私はどうも苦手。名優と聞くが、どこがどう素晴らしいのか私には理解できない。このヴァテールという人物、真っ直ぐかつ職人気質なのかとは思うが、どうにも私には俗っぽくてちょっとズレた人物にしか見えず、最後まで感覚的に理解できなかった。どうも、人物像から受ける印象とその行動とが自然に繋がっていなくて、こういう人がこんな行動に出るのだろうか? という疑問の連続。描き方によっては、人物としては好みになりそうなんだけど。

宴におけるヴァテールはほとんど単なる指揮官で、映画中にも料理は詳しくは出てこず、ショー中心。「宮廷料理人」という邦題(原題には付いていない)から受ける印象とはなんだか違う。豪奢な料理を目当てに見た人はガッカリかも。どちらかというと面白くない映画ではあるが、しかし、一番ジェロームが可愛い映画でもある!

その他メインキャストは、可もなく不可もなく。ルイ十四世(ジュリアン・サンズ)はやけに格好良いが登場シーンがトイレ。王の愛人となるがヴァテールと想いを寄せ合う女官アンヌ・ド・モントージエ(ユマ・サーマン)は、ヒロインとしては何だかドライだが、まあそれはそれで良いのではないだろうか。可愛いし。アンヌに言い寄るローザン侯爵(ティム・ロス)は、悪役だが比較的には名演技を披露している人のように思われる。というのもこの映画、なんとなく皆に共通して演技の見せ場というのが少ない。あってもシャープさに欠ける感じで、どうも締まりがない。そのため、土台は悪くないと思うのだが、結局は建築や衣装や宴の豪華絢爛ぶりを見せるだけになってしまっている(それも実際に見るならともかく、映画としてはいまひとつ特筆すべきものとは感じられないし)。

ジェロームの役は、王弟オルレアン公フィリップ(マレー・ラクラン・ヤング)の取り巻き筆頭らしき、エフィア侯爵。……これが、もの凄く「ちゃん」付けしたくなるキャラで。王弟は取り巻き一味と共に、当初こそヴァテールの弟子の少年を奪って小姓にしようとしたり、はしゃいで宴の大道具を壊したり、と我儘放題に邪魔ばかりしているものの、徐々に微妙な愛情のようなものが(一方的に)芽生え、最後にはライバルに襲撃されたヴァテールを救ったりする。悪役といえば悪役、しかも基本的に王侯貴族のバカ騒ぎを裏方の苦労ドラマと対比して描いているので、これでもかというおバカキャラ……のはずが、まあなんてラブリー! ウィッグと衣装が似合いすぎで、たいへん見目麗しい! 私はそれなりに外観は耽美派・バロック大歓迎なのである。澄ました横顔とか超キレイ。余裕で現役マリウス出来ますって感じのルックスは、JCSの時と同時期の同一人物とは思えない(あれはあれで好きだけど)。おバカ一味ながら、極端なコメディキャラにもならず、嫌味なのに妙に可愛い。深刻なシーンこそあまりないけど、仕草が優雅で素敵。いつもニコニコとラブリーな笑みを浮かべつつ取り巻き一味が登場すると、必ずエフィアちゃんがその視線でヴァテールを睨め付ける。ショーの大道具の鯨に乗って、熱く演劇ごっこをしたり(発音が舞台仕様に変わってるのが可愛い)。ローザン侯の刺客に襲われたヴァテールを王弟一味が救うのだが、剣さばきも披露。捨て台詞も担当である。出番は決して多くはないが、出てくれば必ず美味しいことをしている。シリアスな感動こそないが、可愛いさを愛でるには最適な映画。

THE DANCER ダンサー

映画 THE DANCER
「ダンサー」

The director(ブロードウェイのディレクター)*脇役

監督: Fred Garson(フレッド・ギャルソン) 2000年 フランス

言葉を話せないがダンスの天才を持つインディア(ミア・フライア)が、妹である彼女にべったりの自称マネージャーの兄ジェスパー(ガーランド・ウィット)、彼女に惹かれた青年科学者のアイザック(ロドニー・イーストマン)といった人物との人間関係を軸に、自己表現の道を探って成長してゆく様を描く。

購入店: [レンタル] 参考: [Amazon.co.jp] [Amazon.co.jp]

リュック・ベッソン製作(監督はフレッド・ギャルソン)のフランス映画なのだが、アメリカが舞台で、台詞も英語。

ダンスに興味のない私はストーリーには期待していなかったが、好みではないものの、悪くはない作品なんじゃないかな。主人公を演じる人はもちろんダンサーで、確かにその動きはスゴイ。キャラクタも可愛い! しかしそればかりではなく全編、音楽と共に動いている感じの描き方、作品全体で踊っている感じ。兄のキャラクタも、シスコン気味で情けない系だけど一途で一生懸命、なかなか印象深い。

ジェロームの役は、途中主人公が受けるブロードウェイのオーディションのディレクター。これがまたどちらかというと(どちらかといわなくても?)悪役ポジション。インディアはオーディションの最終段階まで残る。が、口がきけないことが判明すると、ディレクターは冷淡な言葉を放って失格にしてしまう。このシーンに来るまでに、主人公に感情移入して見ている人が大半であろう。そういう作りになっていて、それが成功していると思う。そのためシビアな現実とはいえ、どうしても嫌な感じの役なわけである。しかしその厳しい条件下で、ああ、ディレクターも辛い立場だろうなあ、と思わせられる演技力は見事。主人公の兄がキレて、これが正当だとあんたは思うのか? と詰め寄るのだが、いや、と一言答え、二人を一瞬じっと見つめて逸らすその視線が痛い。出番は実に少なくて、ほとんど見せ場はそれくらいだけど。

外見は、妙ーにそれらしくてとてもカッコイイ。超ブリーチしてます系のベリーショートに整えられた黒い口髭。金髪! これまたエフィア侯爵と同一人物とはとても思えない。気のせいかも知れないが、いつもよりアメリカンな口調になっている気がする。

JESUS CHRIST SUPERSTAR ジーザス・クライスト・スーパースター

JESUS CHRIST SUPERSTAR
「ジーザス・クライスト・スーパースター」

Judas(イスカリオテのユダ)*準主役

監督: Gale Edwards(ゲイル・エドワーズ) 2000年 イギリス

DVD (国内版:Region2, NTSC, 112分, 英語音声, 日本語字幕)

(* 現在、日本版DVDが出ているので、リンク先をそちらに変更。輸入盤についてはJCSのページ参照)ご存じJCSニューステージ映像版。ジェローム自身、自分の経歴の中で最も誇らしいものの一つと言っているようである。おそらく映画版以外で唯一公式映像化されている『ジーザス・クライスト・スーパースター』。イエス・キリストの最後の七日間を全編ロック調ナンバーで描くアンドリュー・ロイド・ウェバー&ティム・ライスの名作ミュージカル。詳しくはJCSのページにて。

購入店: [Amazon.co.jp]

作品の感想は上記の専用ページに書くとして、ここでは余談を。彼のジューダス、どうやらあちらこちらで外見が宜しくないと貶されているのが非常に無念、っていうかムカツク!笑 演技力の素晴らしさは誰もが認めるところであると思うし(もちろん感じ方は人それぞれだが、私が読んだレビューでは演技の観点からは必ずジェロームが最も賞賛されている!)、歌も万人受けするとは思わないけれど、巧いと思うし。もちろん私は歌からハマっただけあってとても好きである。そんな中でのヴィジュアル酷評は、禿げてるからなのか無精髭だからか衣装が変だからなのかよくわからないけれど(全部?)確かにこのジューダスは決して美しいキャラクタではないと私も思う。屈折していて知的でニヒルでアウトロー的、そんな感じが外観にも出ている。むしろ見るからに美しいジューダスなんて、人物造形として如何なものか。だからといって、これをしてヴィジュアル面で酷評されるのは、非常に不本意である。ジェロームが美しい人でもあることは「綺麗でもいい役」の作品を見ると一目瞭然なのであって、敢えてジューダスの役作りを外観に於いても徹底しているのだと思っている。

PARADISCO

映画 PARADISCO

François(フランソワ)*主役

監督: Stéphane Ly-Cuong 2002年 フランス

DVD (輸入:Region ALL, PAL, 仏語音声, 英語字幕)
※ 日本国内用(NTSC)TVでは再生できませんがPCのDVDドライブで再生可能

フランスの短編ミュージカル映画。四十代半ばのゲイ、フランソワ(Jérôme Pradon)が一夜を共にした青年ニコラ(Nicolas Larzul)と語り合っているうち、舞台は彼の青春時代、1979年大晦日のニューイヤーパーティーの空間へと導かれていく。→Paradisco 公式サイト(仏語)

購入店: [Adventice.com] 参考: [Fnac]

過去の空間で、今は死んでしまったかつての友人たちを見つめるフランソワ。二人はそこに居て、それを眺めているという超現実的な描き方にも拘わらず感覚がリアルで、賑やかな空間と音楽の裏に物悲しさの生きる、短いながら繰り返し見られる佳作。登場するかつてのフランソワの仲間たちは、皆ファッショナブルで個性豊か。"RENT"のオリジナル・マークのAnthony Rappが「アメリカ人の友人」役で出演。ハロー、ダーリン! と朝からフランソワの家にやってくる良いキャラ。難しいことをフランス語で、簡単なことを英語で話すアメリカ人。そして、女性陣が皆超可愛い!

現在の現実空間のフランソワの部屋(シンプルだがとってもフレンチでお洒落)やディスコの極彩色の空間といったヴィジュアル的な要素も凄く好きだけれど、二人の交わすさりげない会話が好み。フランソワの古いレコードを眺めて、これ全部MP3(フランス語なので、エム・ぺ・トロワ、と発音する)にしちゃえばいいのに……などと言う現代っ子ニコラ、しかし最後には、昔の感傷を引きずって生きているフランソワを抱きしめて「君は前を向いて生きなければ」。密かにしっかり者。

ラスト、また会えるかな、とさりげないキスで別れる二人。ニコラが去った一人の部屋で、窓の外をじっと見つめるフランソワ。私はなんとなく、彼らはもう会えないのじゃないかな、と思う。

なおミュージカル映画だが、ジェロームが歌っているのはエンディングの歌だけで、作中は普通の台詞のみ。しかし映画風の静かな語り口と相変わらず魅せる表情演技、これがまた彼の母語であるフランス語と相まってやたらに切なくて素晴らしい。ジェロームファン必見のオススメ作品。

本編が短いだけに、下記の同監督による小品 "La jeune fille et la tortue"(『少女と亀』ジェロームが主人公の兄役で出演)、メイキングインタヴューなどの他にも「Paradiscoを歌おう」という謎のカラオケ、同「踊ろう」というダンス講座など特典映像がいっぱい。強いて言えばフランス語字幕がついていないのが残念、と思っていたらParadisco 公式サイトProfessionnel→Festivalsにあるらしい。公式ではジェロームの歌うエンディング曲も配信されています。(Multimédia→Audio→la chanson du générique de Paradisco)この曲大好き!

THE PHANTOM OF THE OPERA オペラ座の怪人

映画 THE PHANTOM OF THE OPERA
「オペラ座の怪人」

注:ジェロームはフランス語吹き替えに声の出演

André(アンドレ)*脇役

監督: Joel Shumacher 2004年 アメリカ/イギリス

DVD 2-Disc Special Edition(US版:Region1, NTSC, 英語・ 仏語音声, 英語・ 仏語・ 西語字幕)
※日本国内用(Region2)プレイヤーでは再生できません
※各種バージョン違いがありますがフランス語音声が入っていないものもあるので注意
※フランス語吹き替えキャストは二種類あり、ジェロームが出演していないものもあるので注意

感想工事中……

購入店: [Amazon.com]

ジェローム・プラドン関連リンク

追記:現在、残念ながら閉鎖・行方不明となっているサイトがあります。