日本公演ライブ盤(青盤)
元祖日本のレミゼCD。バルジャン・滝田栄バージョンの、通称青盤。
1994年2月23日、24日、26日、27日 名古屋・中日劇場での公演。
ライブ版ということで、荒さもあるが、舞台の雰囲気が味わえる。もう一枚の、通称赤盤の方がメジャーなようだが、私はどちらかといえばこちらのほうが好み。アンサンブルや子役の名前が記載されていないのが難点。
キャスト
JEAN VALJEAN : | 滝田栄 (JEAN VALJEAN) | 滝田栄 | ★★★★★ | |
JAVERT : | 今井清隆 (JAVERT) | 今井清隆 | ★★★★★ | |
FANTINE : | 伊東弘美 (FANTINE) | 伊東弘美 | ★★★★★ | |
MARIUS : | 宮川浩 (MARIUS) | 宮川浩 | ★★★★★ | |
COSETTE : | 佐渡寧子 (COSETTE) | 佐渡寧子 | ★★★★★ | |
ÉPONINE : | 島田歌穂 (ÉPONINE) | 島田歌穂 | ★★★★★ | |
THÉNARDIER : | 斎藤晴彦 (THÉNARDIER) | 斎藤晴彦 | ★★★★★ |
M.THÉNARDIER : | 高谷あゆみ (M.THÉNARDIER) | 高谷あゆみ | ★★★★★ | |
ENJOLRAS : | 岡幸二郎 (ENJOLRAS) | 岡幸二郎 | ★★★★★ | |
GAVROCHE : | キャスト不明 (GAVROCHE) | キャスト不明 | ★★★★★ | |
L.COSETTE : | キャスト不明 (L.COSETTE) | キャスト不明 | ★★★★★ | |
アンサンブル | ★★★★★ | |||
演奏(指揮: 田代俊文) | ★★★★★ |
★ は個人的なお気に入り度
キャスト雑感
ジャン・バルジャン: 滝田栄
独特のふんわりと鼻にかかった気品のある声で、ピッチベンド変化の激しい曲線的な唄い方。そこはかとなく和風……。冒頭の荒んでいる時代にはあまり合わない。好みとしては、可もなく不可もなく。
ジャベール: 今井清隆
正統派で威厳があって、クラシカルな堂々とした美声。風格のある荘重さが好き。一方で "Javert's Intervention"では嬉々として「逮捕しましょう!」と言ってから「どういうことだ、どうして逃げたー!」の落差がとても可愛い。原作ジャベールのどこか大まじめに間抜けな部分を彷彿とさせる。"Stars" は素晴らしいながらも美しく歌い上げすぎかも。全体的にもう少し強弱が欲しいが、随所で漂う高潔でまじめな感じは良い。「自殺」も素晴らしく、「俺は法律、なめるなー!」の絶叫、「この命与えて、殺した」の繊細さにもときめき。「ジャベール」の「ル」が巻き舌。
ファンティーヌ: 伊東弘美
どうも若さのない声で好きでない。
マリウス: 宮川浩
俗っぽく低音に深みがない声。それでいて天然感がなく、どうも苦手。ただ、「それは将軍ラマルク!」というところは朗々として結構好きかも。
コゼット: 佐渡寧子
可愛い。少し大人っぽ過ぎるけれど。クラシカル。
エポニーヌ: 島田歌穂
素晴らしい歌声。"A Little Fall of Rain" の音楽的かつ叙情的な死にかけ加減が素晴らしい。このCDのキャスト中で最も安定感があるが、声質が可愛らしい系のため、私のエポニーヌの理想像とは異なる。
テナルディエ: 斎藤晴彦
最初は非常に苦手だと思ったが、暫く聴いているとさほどでもなくなった。ただこのCDのメインキャストでは最も、イマイチ巧くない人と感じる。
テナルディエの妻: 高谷あゆみ
普通に良い感じ。
アンジョルラス: 岡幸二郎
凛然としたカリスマ的な美声で、各国のアンジョルラスの中でも私のイメージに近い。アンジョルラスという人物はレミゼの中では最もある意味で非日常的な人物だと思うのだけれど、そんな感じの華がある。やや音程が不安定だったり高音が通らないのが惜しい。横文字が子音で終わるのも歯切れが良くて好き。
余談:私は岡幸二郎をジャベール役で観たのだが、「動き」こそが最もその魅力だと感じたので、アンジョルラス役を実際に観てみたかった。
ガブローシュ: キャスト不明
ちょっと可愛いすぎるが、わりと好み。赤盤は女優のようだが、こちらは子役。
リトル・コゼット: キャスト不明
歌が下手。
その他:
司教様が素晴らしい。クールフェラックがとても格好良い。ブリュジョンの悪党ぶりも好き。グランテールはダミ声で好きじゃない。全員ではないけれど、他の人の固有名詞が必要以上にカタカナ的で「コゼット」とか「ジャベール」のように語尾の母音が強い。もちろん日本語版なので原語的な発音である必要はないが、重い感じがする。時代のせいか。
購入・試聴
大型CD店で見かける。大手レンタル店にあることも。
曲目
DISC 1:
- 囚人の歌
- 仮釈放
- 司教
- ヴァルジャンの独白
- 一日の終わりに
- 夢やぶれて
- ラブリィ・レイディ (波止場)
- ファンティーヌの逮捕
- 馬車の暴走
- 裁き
- ファンティーヌの死
- 対決
- 幼いコゼット
- この家の主
- 取引
- 裏切りのワルツ
- 乞食たち
- 強奪
- ジャヴェールの介入
- 星よ
- ア・ベ・セー・カフェ
- 民衆の歌
- プリュメ街
- 心は愛に溢れて
- プリュメ街の襲撃
- ワン・デイ・モア
DISC 2:
- バリケードを築こう
- オン・マイ・オウン
- バリケードで
- バリケードのシャヴェール
- ちびっこ仲間
- 恵みの雨
- 苦悩の夜
- 最初の攻撃
- 共に飲もう (その夜)
- 彼を帰して
- 苦悩の夜明け
- 第二の攻撃
- 最後の戦い
- 下水道
- ジャヴェールの自殺
- 犠牲者たち
- カフェ・ソング
- エブリディ (マリウスとコゼット)
- ヴァルジャンの告白
- 結婚式 — 宴会乞食
- エピローグ