原作『レ・ミゼラブル』日本語訳
多数存在する『レ・ミゼラブル』日本語訳の中から、手元にある完訳文庫版を紹介。
豊島与志雄 訳
『レ・ミゼラブル』全4巻(岩波文庫)
大正初期の翻訳に手を入れた改訳版で、やや言葉遣いは難しいが、古典文学らしい趣きが美しい。原書の挿絵も収載。巻頭の目次が詳細。著作権は切れており、青空文庫にもなっている。個人的には一番お気に入りの訳。
レ・ミゼラブル(青空文庫)
レ・ミゼラブル 1巻(岩波文庫) |
2巻 |
3巻 |
4巻
レ・ミゼラブル 1巻(新潮文庫) | 2巻 | 3巻 | 4巻 | 5巻
辻昶 訳
『レ・ミゼラブル』全5巻(講談社文庫)
『世界文学全集』(講談社)からの文庫化。平易な言葉遣いで、新潮文庫に比べると文体が柔らかい。訳注が多く、理解の助けになる。巻頭の目次は部・編まで。1巻末に訳者の解説、5巻末にユゴー年譜が付属。絶版で、古本でしか入手できないのが難。(単行本では『ヴィクトル・ユゴー文学館』(潮出版社)に収録)
レ・ミゼラブル 1巻(講談社文庫) | 2巻 | 3巻 | 4巻 | 5巻
レ・ミゼラブル 1巻(角川文庫) | 2巻 | 3巻 | 4巻
西永良成 訳
『レ・ミゼラブル』全5巻(ちくま文庫)
2012年より刊行されている新訳。2013年2月現在は4巻まで出ている。→2014年2月に5巻が刊行され、完結。地の文は癖のない文体で読みやすいが、台詞を現代風にしようとしてやや中途半端になっている印象も。訳注が詳細で、背景がわかりやすい。巻頭の目次は部・篇まで。各巻末に「訳者ノート」。
レ・ミゼラブル 1巻(ちくま文庫) | 2巻 | 3巻 | 4巻 | 5巻